お知らせ・新着情報
呼吸器病センター開設の案内
2022.10.05
ご挨拶
呼吸器病センター長 森 清志
この度、宇都宮記念病院呼吸器病センター開設と共にセンター長を務めます森 清志です。2020年5月から呼吸器疾患に対し、常勤医師として内科医4名、外科医3名の7人体制で診療を行っており、名称も新たに呼吸器病センターと改名しました。これでほぼ全ての呼吸器疾患に対する専門的対応が盤石となりました。
当科は呼吸器疾患全般の診療を行っており、特に肺癌、自然気胸、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、呼吸器感染症、睡眠時無呼吸症候群等を専門としております。呼吸器外科では自然気胸の治療件数が多く年間50例(内手術:胸腔鏡手術30〜40例)程度、肺癌手術は40例程度ですが、肺葉切除、区域切除等の件数も近年増加しきています。また感染症(膿胸などの外科治療)、縦隔や胸壁の外科治療も行っております。
医学の進歩に伴い、様々な分野で新しい治療薬が開発されています。特に肺癌の領域では、治療薬として、シスプラチンを代表とする化学療法(いわゆる抗がん剤)、特定の遺伝子変異を標的とした分子標的薬、がんを兵糧攻めする血管新生阻害薬、がん免疫に作用する免疫チェックポイント阻害薬等が臨床導入されています。がん細胞における複数の遺伝子検査が可能となり、これらの遺伝子異常がある患者さんにはそれぞれにあった分子標的薬がつかえる可能性があります。当院でも積極的にがん細胞の遺伝子検査(オンコマイン Target Test マルチCDx システム)に取り組み個別化治療も行っています。
特殊外来として禁煙外来と睡眠時無呼吸症候群(SAS)に関する外来を行っています。喫煙が原因あるいは増悪すると考えられる病気を喫煙関連疾患と呼び、悪性腫瘍(がん)、脳血管障害、心臓疾患、肺気腫、糖尿病、歯周病などがあります。喫煙の本質はニコチン依存症という治療すべき病気なのです。日本では2006年から禁煙治療に保険が適応されています。また当院ではSASの診断(終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査、簡易PSG検査)、治療も行っております。当院の特徴として歯科口腔外科、耳鼻咽喉科と連携を取りながら治療にあたっているため、マウスピース作成や、経鼻的持続陽圧呼吸療法導入後も鼻閉などで治療が難渋している患者さんにも対応ができます。
当センターの診療においては、呼吸器疾患の診断と治療を呼吸器外科医、呼吸器内科医が一丸となり、患者さん一人ひとりに対して最良の治療方法を日々検討しています。日常診療では外科、内科の垣根なく、今後呼吸器病センターとして診断から治療までチーム診療を行ってまいりますのでよろしくお願いいたします。
*なお診療体制(医師の紹介、外来診療日および担当医師等)等については、呼吸器内科、呼吸器外科の各診療科で詳細に記載されています。