消化器外科

特長・得意分野

当院は昭和38年中山外科医院として開設以来、50年以上にわたり良性疾患を中心に地域の外科診療を担ってまいりました。一方、外科治療の対象疾患が悪性腫瘍へと、そして各種腹腔鏡下手術へと移行する中、当科もその時代に応じた体制を整え守備範囲を随時拡大しています。科長の今井(平成24年赴任)と大腸・肛門外科科長の熊野(平成25年赴任)が、外科・消化器外科専門医指導医として、責任を持って全外科患者さんの治療方針決定を行っています。今井は北海道の基幹病院で上部消化管、肝胆膵の豊富な手術実績があり、ハーバード大学(米国、ボストン)外科講師時代にはBeth Israel Deaconess Medical Center Transplant Clinicにオフィスを持ち肝移植に携わって参りました。熊野も県内の基幹病院、とりわけ自治医科大学附属病院での豊富な手術経験があり、大腸・肛門領域のみならず腹腔内臓器全般を守備範囲としています。チームメンバーは青木(平成23年から在籍)、石井(平成29年から在籍)、新庄(平成29年から在籍)で、全員が外科専門医の資格を持った熟練した外科医で、5名が1つのチームとして有機的に外来、入院、手術、検査を担当させていただいています。また、中山会理事長で獨協医科大学第1外科名誉教授である砂川先生に外来診療のサポートをいただき、必要時には県立がんセンター名誉研究所長で大腸癌取り扱い規約委員・規約改定委員長を務められた固武先生に下部消化管手術のサポートをいただいております。

当科での2014年-2017年の手術実績は別記示す通り、胃、大腸の悪性腫瘍手術、胆嚢摘出術等が主ですが、近年はとりわけ下部消化管の手術件数(結腸癌、直腸癌)が増加しました。また、後述する術中病理診断が可能になった事から、最近は肝胆膵悪性腫瘍の手術も増えています。5年前から稼働を始めたチームですが、地域の先生方との信頼関係も徐々に確立し、患者さんの紹介も増加、5年前は乳腺外科を含めた手術件数が200例未満でしたが、今年度は500例を超える事が予想されます。

腹腔鏡下手術に関して、各学会で治療法として推奨されている胆嚢摘出術、結腸・直腸切除術、早期胃癌の幽門即胃切除術は、日常診療の選択肢として定着しています。その他、患者さんの御希望と必要性を考慮し、虫垂切除術やヘルニア手術等も腹腔鏡下で手術を行っています。腹腔鏡下手術は、カメラとモニターによる拡大視効果が期待出来ますが、鉗子類操作に開腹手術とは異なるトレーニングが必要となります。また、日々進歩する手術器具を十分に理解し使いこなせる様にしなければなりません。これは手術を行う外科医のみならず、手術の器械出しをはじめとする手術室のスタッフにも当てはまる事です。当院では、全ての外科医がトレーニング施設(九州大学内視鏡外科トレーニングセンター、エチコン研究センター等)での複数回のトレーニングを義務付け、手術室のスタッフも含めたチームビルディングの研修コースにも積極的に参加し、医師とスタッフの技量の安定に努めています。

がんの手術では、手術中に摘出臓器やリンパ節の病理診断(術中迅速病理診断)をする事により、それぞれの患者さんに応じた摘出範囲を決める事が出来ます。この術中病理診断を根拠として、がんの取り残しを避けながら手術範囲を小さくする、また、複数回行う事になる手術を1度で終わらせる等、患者さんのメリットは非常に大きいものです。当院では病理部を稼働し、非常勤の病理専門医あるいは東京大学遠隔病理診断センターにて術中迅速病理診断をしていますので、患者さん個々の病変範囲に合わせた手術が出来るのも当科の強みとなっています。また、臨床病理学的検討が活発に行われる様になり、診療の質が向上いたしました。

宇都宮市内には日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(認定施設)が4病院(NHO栃木医療センター、県立がんセンター、済生会宇都宮病院、当院)あります。私たち外科チームは、宇都宮市及び近郊の外科治療に対する責任病院の1つとして、常に緊張感を持って診療をさせていただいています。社会医療法人中山会と言う名称を、日本の消化器外科技術を世界のものにした中山恒明先生からいただいている事もあり、当院の外科医はその名に恥じぬ様たゆまぬ研鑽を続け、プライドを持って患者さんに向き合っています。治療方法選定にあたっては各種ガイドラインに準拠して行っていますが、患者さんとその御家族に充分説明、ご相談の上決定しています。それぞれの患者さんを取り巻く医療環境、社会環境は異なります。他施設での治療も含め、患者さんにとって最良の医療をご提案、ご提供する事をお約束いたします。

診療実績・施行実績

上部消化管の手術

2014年 2015年 2016年 2017年
胃悪性腫瘍 胃全摘術 13(1) 7(2) 9(1) 4(0)
幽門側胃切除術 10(2) 11(3) 13(5) 10(7)
胃部分切除術   3(3) 3(3) 1(1)
胃十二指腸潰瘍穿孔手術 4 0 2 4

 

( ):内 腹腔鏡下手術

下部消化管の手術

2014年 2015年 2016年 2017年
結腸悪性腫瘍手術 結腸切除術 27(9) 31(13) 36(9) 31(9)
人工肛門造設術 2 0 0 1
直腸悪性腫瘍手術 低位前方切除術 5(3) 10(6) 10(4) 11(4)
超低位前方切除術 0 0 1 1
マイルス手術 2 1 5 1
ハルトマン手術 1 2 2 2
人工肛門造設術 1 3 3 4
骨盤内臓器全摘 0 0 0 1
イレウス解除術 15(2) 12(3) 15(0) 13(3)
虫垂切除術 21(1) 31(1) 39(9) 42(4)
穿孔、外傷、捻転等 8 15 4 9

 

( ):内 腹腔鏡下手術

肝・胆・膵の手術

2014年 2015年 2016年 2017年
肝部分切除術 1(1) 1 4 4
肝区域切除術 0 0 1 4
肝葉切除 0 0 1 1
胆嚢摘出術 55(42) 63(52) 56(50) 105(93)
総胆管結石手術 3 0 0 0
膵頭十二指腸切除 0 0 1 1
膵体尾部切除術 0 0 0 2
膵全摘術 0 1 0 0

 

( ):内 腹腔鏡下手術

肛門疾患の手術

2014年 2015年 2016年 2017年
痔核手術 16 12 20 18
痔瘻根治術 2 1 10 2
肛門周囲膿瘍他 5 2 0 5

 

ヘルニアの手術

2014年 2015年 2016年 2017年
鼠径ヘルニア 55 75 61 73(3)
大腿ヘルニア 5 0 1 0
腹壁瘢痕ヘルニア 5 4 1 2
臍ヘルニア他 3 1 2 2(1)

2014年 2015年 2016年 2017年
その他(皮膚切開術・中心静脈リザーバーカテーテル留置など) 16 18 13 31

 

認定施設

外科専門医制度修練指定施設、消化器外科専門医制度指定修練施設(認定施設)、日本消化器病学会認定施設、日本消化管学会胃腸科指導施設、日本肝臓学会教育関連施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設、日本大腸肛門病学会認定施設

主な医療機器・設備

腹腔鏡下手術機器を含む各種手術機器、テレパソロジーシステム、外来化学療法室