主な対象疾患

頚動脈狭窄症

CEAを施行した症例

頸動脈狭窄症の方は脳梗塞を起こす可能性があり、内科的治療を優先して行いますが、高度狭窄や潰瘍を伴うプラークの場合には外科治療を行います。
外科治療は切らずに治療する血管内治療のステント留置術(CAS)と、内膜剥離術(CEA)があります。それぞれ一長一短があるのですが、一般的にはCASで1.4%から2.3%程度の脳梗塞の合併症が起こるとされています。CEAではきちんとした手術を行えば、より安定した成績で治療が可能です。当院での治療成績ですが、この4年間で59例中、症候性の脳梗塞を起こした方は0であり、術後にMRI 拡散強調画像で4例にごく小さな無症候性の脳梗塞を認めたのみでした。また、過灌流症候群でADLが悪化した症例も0でした。頸動脈自体が細めの方には人工血管により血管径を拡張させ、外頸動脈にも切開を起ききちんと内膜剥離を行う事で、将来的に頭蓋内血管の狭窄、閉塞を起こした場合にもバイパス手術ができるように心掛けております。CASはマイクロメッシュステントを用い、血栓が飛ばなくなるように工夫しながら行っています。当院の治療方針ですが、脳梗塞を予防するための治療ですから、症候性病変(脳梗塞や一過性脳虚血発作)の方は脳梗塞を起こしにくいCEA(内膜剥離術)を優先して行っております。無症候性病変の場合には、現役で仕事をされていたり、ご高齢で認知症が出始めているような方は、脳梗塞を術後に合併するとさらに認知症が悪化する可能性がある為、やはりCEA(内膜剥離術)を優先して治療を行っています。全例に術中モニタリングを行い合併症の予防に努めています。皮膚切開は首のしわに沿って横切開しているために、術後に傷は目立ちにくいです。
顕微鏡下に頚動脈の露出を行い、内シャントチューブを全例に使用しています。
内頚動脈遠位部の処理を丁寧に行う必要があり、強拡大で微細な処置を行っています。
心臓疾患等があり、全身麻酔のリスクが高い方や、放射線治療後、慢性期でソフトプラークでは無い方は、希望に応じてCAS(ステント留置術)を行っています。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

脂質に富んだプラークを認めます。ソフトプラークと呼ばれています。塞栓症の原因になり易いと考えらています。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

顕微鏡下にプラークを切除し細かいゴミを丁寧に除去する事で術後の塞栓症を抑える事が可能です。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

外頸動脈のプラークは引っこ抜く方法もありますが、術後に閉塞する可能性があり、外頸動脈にも切開を入れ内膜剥離を行う必要があります。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

元々血管径の細めの方は人工血管を用いて血管径が拡大するように心がけています。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

人工血管を用いて再建した例です。血管径が細い方でしたが、良好な拡張が得られます。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

特殊なプラークで外膜まで達しており穴が開いてしまう状態です。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

切除し血管壁を縫合していますが血管長が短縮するため狭窄が起こる可能性があります。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCEAを施行した症例

このような例でも急遽人工血管を用い血管径を拡張させる事で対処しています。


CASを施行した症例

脳梗塞で発症した左内頚動脈狭窄症の患者さんです。心臓が悪いため、全身麻酔による治療は危険と判断し、ステントを用い血管内治療を行いました。合併症なく、自宅退院されています。

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCASを施行した症例

術前CTA

宇都宮記念病院 脳神経外科の頚動脈狭窄症にCASを施行した症例

術後CTA

CAS(carotid stenting)は切らずに治せる治療です。しかし、ご高齢の方は脳梗塞の合併症を起こしやすくなる傾向もあり、慎重に治療法を決めています。

外来診療表

 
午前 担当医 齊藤 柴田 串原 担当医 齊藤第1・3・5
受付11:30まで

志波第2・4
受付11:30まで
午後 担当医受付17:00まで 志波受付17:00まで 柴田受付17:00まで 串原受付17:00まで 担当医受付17:00まで 齊藤第1・3・5
受付16:00まで

志波第2・4
受付16:00まで
〒320-0811 栃木県宇都宮市大通り1-3-16
社会医療法人中山会
宇都宮記念病院
脳神経外科
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