もやもや病
出血、虚血で発症され、外科治療が必要と思われる患者様に対し、積極的に治療を行っています。血行再建の方法は浅側頭動脈(頭皮下の血管)を用いて脳表の血管にバイパスを行う直接血行再建術と 側頭筋、硬膜、帽状腱膜などの結合組織を脳表に接着させて、新生血管の発達を待つ間接血行再建が行われてきました。当科では、直接血行再建術と間接血行再建術を組み合わせ、前大脳動脈領域、中大脳動脈領域の広範囲の血流を改善させる方法で行っています。
一過性脳虚血発作を繰り返し、前頭葉の血流低下に対し浅側頭動脈ー前大脳動脈、中大脳動脈バイパス術を行った症例
左手のしびれ、違和感を繰り返し起こされ、脳血流検査を行ったところ、右側の中大脳動脈領域と、前大脳動脈領域の血流低下をSPECT検査で認め、前大脳動脈、中大脳動脈の二箇所で(白矢印) バイパス術を行っています。前頭葉と頭頂葉の2箇所に開頭し浅側頭動脈を用い血管吻合を行い、硬膜、筋肉、骨膜を用いた間接血行再建も同時に行っています。
脳出血を繰り返し起こされtarget bypassを行った症例
左側の前脈絡叢動脈からの側副血行路が発達しており(赤矢印) それが出血の原因になると判断し、前頭葉と頭頂葉の2箇所に浅側頭動脈を用いたターゲットバイパス術を行っています(白矢印)。